Satoshi Tai
実績一覧
UX REDESIGN

freee.co.jp ブランドトップページのUI/UXリデザイン

ユーザーセグメント別の情報設計で直帰率を改善

−16%

直帰率

オリジナルデザイン比

+123%

セッションあたり平均PV

オリジナルデザイン比

主要KPI

直帰率の改善

クライアント

フリー株式会社

対象ページ

ブランドトップ

施策タイプ

UXデザイン / ページリニューアル

アプローチ

GA4 / UserInsight

背景

『何でもあるページ』は、誰にも刺さらない

freee.co.jpのブランドトップページは、freeeが提供する複数のプロダクトへの入口として機能するページでした。しかし実態は、製品を羅列するだけの構成となっており、ページとしての役割とユーザーへ提供したいUXが曖昧な状態でした。

freeeのプロダクトは大きく法人向けと個人向けに分かれており、それぞれ全く異なるニーズと文脈を持つユーザーが同一ページへ流入しています。それにもかかわらず、両者を区別しない単一の構成でコンテンツを並べていたため、どちらのユーザーにとっても「自分に関係する情報」へ辿り着きにくい状態になっていました。

課題分析

GA4とヒートマップで「誰がどこで迷っているか」を読む

GA4のユーザー属性・流入経路・離脱ページ分析と、UserInsightのスクロール深度・クリックマップを組み合わせて現状を診断しました。

分析から見えてきたのは2つの問題でした。第一に、スクロール深度が浅く、ページ上部で大半のユーザーが離脱していること。第二に、多数のプロダクトが掲載されているにもかかわらず、クリックがページ上部の特定プロダクトにだけ集中しており、それ以外のプロダクトへユーザーを適切に導く導線設計ができていないことでした。

また、GA4のデバイス別データから、デスクトップ流入とモバイル流入でユーザー属性に傾向の違いがあることも確認しました。これはコンテンツの表示順をデバイスごとに最適化する根拠となりました。

GA4 + UserInsightから得た主な発見

ページ上部での大量離脱・クリックが上部の特定プロダクトにのみ集中→「法人/個人」のユーザー別にコンテンツを整理し、それぞれが必要なプロダクトへ自然に誘導できる導線設計が必要と判断

問題

リデザイン前に特定した4つの問題

問題 01

ページの役割が曖昧で、法人・個人どちらのユーザーにも「自分向けの情報」が伝わっていない

問題 02

クリックがページ上部の特定プロダクトに集中し、それ以外のプロダクトへの適切な誘導ができていない

問題 03

1st Viewでユーザーの属性・興味に応じて適切に誘導するUI/UXが提供できていない

問題 04

デバイスによるユーザー属性の違いが考慮されておらず、すべての端末で同一の表示順になっている

解決方法

『誰のためのページか』を構造から設計し直す

リデザインの基本方針は、法人ユーザーと個人ユーザーのそれぞれに向けたセクションを明確に分離し、「自分向けの情報がすぐに見つかる」構造に再設計することでした。

改善 01 — セクション分離

法人・個人向けのコンテンツを明確に分け、「自分に関係するセクション」がひと目で分かる構造へ

改善 02 — 導線の整理

主要なプロダクトはシンプルに遷移できる導線を用意し、それ以外はプロダクト検索ページへ誘導

改善 03 — 1st Viewの強化

ページ上部にアンカーリンクで法人/個人向けコンテンツに1クリックで誘導する構成へ

改善 04 — デバイス別最適化

デスクトップは法人向けコンテンツを上位に、モバイルは個人向けコンテンツを上位にデフォルト表示

特にデバイス別の表示順最適化は、「同じページでも、デバイスによって主なユーザー層が異なる」というGA4データの裏付けに基づいた設計です。デスクトップで業務利用を検討する法人担当者と、スマートフォンで手軽に調べる個人事業主・フリーランスという行動パターンの違いを、コンテンツの優先順位に反映しました。

デスクトップ — 法人向けを上位表示

業務中にPCで検討する法人ユーザーに向けて、法人向けプロダクトへの導線をページ上部に配置

モバイル — 個人向けを上位表示

スマートフォンで情報収集する個人事業主・フリーランスに向けて、個人向けプロダクトを優先表示

プロセス

01

STEP 01

GA4による流入・離脱・デバイス別分析

ユーザー属性・流入経路・デバイス別の行動傾向を分析。法人・個人ユーザーのデバイス差異を定量的に把握

02

STEP 02

UserInsightによる行動分析

スクロール深度・クリックマップでページ上部の離脱実態と特定プロダクトへのクリック集中を確認。改善優先箇所を特定

03

STEP 03

情報設計(IA)・コンテンツ構成の再設計

法人・個人セグメントへのセクション分離、1st Viewのメッセージ強化、デバイス別表示順の方針を策定

04

STEP 04

UIデザイン・レスポンシブ設計(Figma)

デスクトップ・モバイル両方のデザインをFigmaで制作。デバイス別の表示順変更もデザインに反映

05

STEP 05

実装・リリース

デザインをもとに実装。レスポンシブ対応・デバイス別コンテンツ順の切り替えを含めてリリース

06

STEP 06

効果測定・レポーティング

ABテストツールで直帰率・PV数・各セクションへのクリック率を計測。改善効果を定量的に確認しチームへ報告

インサイト

トップページの役割は「見せること」ではなく「届けること」

製品やサービスが増えるほど、トップページは「すべてを載せる場所」になりがちです。しかしユーザーの視点では、自分に関係する情報がすぐに見つからないページは、情報量が多くても離脱の原因になります。

クリックが上部の特定プロダクトに集中していたという事実は、「ユーザーはそれしか見ていなかった」のではなく、「それしか見えない設計になっていた」と捉えるべきです。

採用したCROの知見

2nd View以降で閲覧率が急落するため、1st Viewでのメッセージが最重要。かつデバイスごとに主要ユーザー層が異なる場合、コンテンツの表示順をデバイス特性に合わせて最適化することが直帰率と回遊率の両方の改善に直結する。

結果

直帰率の改善と回遊率の向上を同時に達成

−16%

直帰率

オリジナルデザイン比

+123%

セッションあたり平均PV

オリジナルデザイン比

Before法人・個人が混在する構成
Before
After法人・個人を明確に分離した構成
After

次のステップ

他のケーススタディも、同じく分析→設計→実装の一貫したプロセスで進めています。

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